• 2022.09.01
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「箱根小涌園 三河屋」とチェンバレンの散歩道

1850年生まれのイギリス人、バジル・ホール・チェンバレン。1873~1911年(明治6~44年)の38年間、日本に滞在し日本文化を世界に知らしめた日本研究家です。

イギリスで銀行員として働いていたチェンバレンは、仕事が合わずノイローゼとなり、その治療のために船に乗ったといわれています。日本に着き、東京の海軍兵学校で英語を教えることになったチェンバレンは、日本の古典にのめりこみ「古事記」を英訳。文明開化で世界とつながり始めた日本語の言語学に、西洋の科学的研究を取り入れて国語学として成立させる偉業を成します。「怪談」で知られる作家の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とも親交があり、日本の文化を研究し世界に紹介した功績から、東京帝国大学文学部名誉教師の肩書きを持つようにもなります。

日本人以上に日本を愛したチェンバレンは、しばしば箱根を訪れ、温泉や散策を楽しんでいました。箱根を好み、箱根に書斎まで設置したチェンバレン。彼が何十回も歩いたとされる堂ヶ島渓谷遊歩道は「チェンバレンの散歩道」とも呼ばれており、ひっそりと落ち着いて箱根の自然とふれあいたい人向けにおすすめしたい遊歩道です。

明治16年(1883年)創業の「箱根小涌園 三河屋」から、早川沿いのチェンバレンの散歩道(堂ヶ島口)までは約3km。チェンバレンが歩いていた頃と変わらない、静けさに包まれた散策が楽しめます。

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